きゅうすの初心者落語傾聴

主に古今亭志ん朝師匠の落語を聞いた感想を書きます。

古今亭志ん朝「愛宕山」を聞いて

 20年ぶりに新紙幣のデザインが変更されるようですが、現在の千円紙幣の裏の富士山が変わってしまうのは少し残念なような気がします。人生で一度は登ってみたい山です。山に関する落語といえば愛宕山が思いつきます。

 

 個人的に気分が落ち込んだ時によく聞く落語であり、落語ならではのなんとも間抜けな落ちが特徴の内容です。

 

 太鼓持ちの一八と旦那が店の人たちと愛宕山へお参りをする噺で、一八のひょうひょうとした受け答えや「かわらけ投げ」というものに興じる場面が出てきます。特に一八が崖の下に降りて(落ちて?)、竹をたわめるシーンからオチまでは実に力を入れており何度聞いても素晴らしく感じます。

 

 先日スーパーへ立ち寄ったところ、この演目に出てくる「かわらけ」というものを見かけました。知識不足で実際何に使うものなのかわかりませんでしたが、一八と旦那は「愛宕山」でこれを放っていたのかと手に取ってみてなんだかうれしくなりました。調べてみたところ、現在でも「かわらけ投げ」をできる場所があるみたいなので、機会があれば行ってみたいものです。さすがにお金を投げることは致しませんが。

 

 是非皆さんも古今亭志ん朝愛宕山」を聴いてみてはいかがでしょうか。

 

古今亭志ん朝「火焔太鼓」を聞いて

 この前新宿末広亭に行き、久しぶりに生の高座を堪能してきました。

やっぱりスポーツと同じで映像を見るのと生で見るのは、臨場感といいますか大分違うものだと感じます。どの落語家さんにも十八番というのはあるでしょうが、今回は志ん朝の父古今亭志ん生も得意とした演目「火焔太鼓」の感想です。

 

 こちらの噺を聞いた感想は、最初から最後までしっかり笑える内容だということです。

 

 登場人物は道具屋さんのご夫婦とお殿様とその後家来がでてきます。主人公はこのご夫婦の旦那。どこかぼけているところがあり、あまり商売も得意ではない様子。そのため奥さんからよく小言を言われているようです。噺のなかでこのご夫婦、よくケンカをしているものとみて取れますが、おそらく長く続く、あるいは一生を添い遂げる仲とはこんな二人のことを言うんじゃないかと思います。

 要所要所に笑いどころがあるため、最後まで飽きずに聞くことができる内容ではないかと思っております。私が考える聞き所は、お殿様のご家来が店に来た後のご夫婦のやり取でしょう。旦那の嫌いなものを並べて楽しそうな奥さんとビビる旦那。あの時の間が何とも言えません。

 

 ただ、ひとつわからなかった部分がありましてオチの半鐘というのが何のことかよくわかりませんでした。字をみれば何となく想像できますが、火事の時に鳴らす鐘のことだとか。落語を聞いているといろんな知識が身につきそうですね。

 

 是非皆さんも古今亭志ん朝「火焔太鼓」を聴いてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

古今亭志ん朝「井戸の茶碗」を聞いて

 まだ落語を聞き始めて間もないもので、多くの落語を知っているわけではありませんが、噺の内容として私が一番気に入っているのが井戸の茶碗という演目です。

 

 こちらの演目で特に気に入っている特徴は悪い人が一人も登場しないということです。

 

 簡単にあらすじを説明すると、千代田卜斎という浪人者と若侍の高木作左衛門の二人の商いを、くず屋の清兵衛さんが間を取り持つといった構成が主となります。金に困っていた千代田卜斎がたまたま通りかかった清兵衛さんに仏像を売り、それを高木作左衛門に清兵衛さんが売り渡したところ、仏像の中から大金がでてきてさあどうしようといったお話です。

 志ん朝井戸の茶碗を聞いていると、この三人が本当に江戸時代に存在していたかのように話に入り込むことができます。あー江戸っ子とはこういう人のことを言うんだなと思うことができるのがこの演目です。

 

 

 また、この噺でもう一つ気に入っているところがサゲです。

 

 噺の初めから最後までの内容を「ストンッ」と落としつつ、笑って終わりになるきれいなサゲだと思います。個人的にこういうオチこそが落語なのではないかと思いました。主な登場人物も少なく、噺の内容もわかりやすいこの演目から聞き始めたからこそ私が落語を聞いてみようと思った噺なので、初心者でも聞きやすいものかと思います。

 

 是非皆さんも古今亭志ん朝井戸の茶碗」を聴いてみてはいかがでしょうか。

 

初めてのブログ

暇だったのでブログというものを始めました。

 

きゅうすと申します。

大学3年生の時に何げなくYouTubeで動画を見ていたら、

古今亭志ん朝の「そば清」という落語に出会いました。

 

最初は何気なく見ていただけでしたが、やっぱり名人なんでしょうか。いつしか引き込まれ志ん朝のいろいろな演目を見たいと思うようになりました。

 

このブログでは志ん朝の落語を聞いた感想を書いていきたいと思っています。