きゅうすの初心者落語傾聴

主に古今亭志ん朝師匠の落語を聞いた感想を書きます。

古今亭志ん朝「酢豆腐」知ったかぶりにはご注意を

 

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 今回はたまたまスーパーで見かけた麦とホップの黒を飲んでみました。どちらかというと私は普通のやつのほうが好みですが、たまには違った味わいのものを飲んでみたくもなります。つまみには肉豆腐を作ってみました。まあ豆腐と肉を煮るだけなんで大したものではないのですが、これがなかなか美味しいものです。

 豆腐を食べるときに毎度思い出してしまうのは、やはり酢豆腐という落語です。今回はこちらの演目の感想を書きたいと思います。

 

 落語を聞き始めてからまだ日も浅く、まだまだいろんな噺を聴いてみたいと思っておりますが、落語の演目というのは漢字が読めないものがあったり名前だけでは内容がほとんどわからないものがあります。漢字が読めないものは「文七元結(ぶんしちもっとい)」や「火焔太鼓(かえんだいこ)」などが初めはわかりませんでした。(単に私の教養がたりないだけかもしれません)今回の演目「酢豆腐」は内容も想像できず、そんな食べ物があるのかと本気で思ってしまったお話です。志ん朝のCDでも聞きましたが、こちらの演目は映像で見たほうがより楽しめる噺だと思います。

 

 町内の若い衆が集まって暑気払いに一杯やろうというところから始まるこのお話。これだけ大勢の人物が出てきても、志ん朝が演じるとそれぞれの話し方やしぐさで誰が話しているかがとても分かりやすいです。若い衆一人一人の性格まで伝わってくるようで、見ていると本当に江戸の町に来てしまったのかと錯覚します。さて半公を騙して銭をとった若い衆たち。おなじみの与太郎がまたもやらかしますがこれが「酢豆腐」の鍵となります。この先は横町の若旦那と新ちゃんのやり取りが続きますがここからが見所です。

 

 与太郎がしくじって腐らせた豆腐を(豆が腐ると書いて豆腐なのに腐るとはこれいかに)若旦那に食べさせようとおだて始めます。そこで腐った豆腐を見せると若旦那「まあよくそれが手にはいったねえ♪」と知ったかぶり。そこから若旦那が腐った豆腐を食べますがこのシーンは顔芸といっても差し支えないでしょう!本当に腐った豆腐を食べているみたいです。最後は扇子であおいでどうにか飲み込みます。そして酢豆腐と名前を付け最後には酢豆腐は一口にかぎります・・・」と逃げます。知ったかぶりもここまでくると見事ですね。ある種教訓になるようなお話かもしれません。終始笑っていられる陽気な演目で大変面白かったです。

 

 余談ですがこの横町の若旦那、「羽織の遊び」にも「こんつわー」と言って登場します。キザで憎たらしい志ん朝の若旦那大好きです。