きゅうすの初心者落語傾聴

主に古今亭志ん朝師匠の落語を聞いた感想を書きます。

古今亭志ん朝「佐々木政談」うまいしゃべりで大出世!

f:id:kyu-su:20191123083904j:plain


f:id:kyu-su:20191123082457j:plain

 少し前に日光東照宮に行ってきました。別名「日暮門」ともいわれる「陽明門」、見ざる聞かざる言わざるの「三猿」、平和の象徴「眠り猫」と有名な場所を一通り周りましたが、特に印象に残ったのは薬師堂の「鳴き龍」ですね。今では鳴き龍の下で手をたたくことは禁止となってしまったそうですが、案内のお兄さんが拍子木で龍が鳴くところと鳴かないところで違いを説明してくれました。部屋全体に音が響くときには思わず感嘆の声が漏れるほど感動してしまいました。

 

 さて、東照宮徳川家康を祭っているということでもちろん「三つ葉葵」の家紋が至る所にあるわけですが、「丸に四ツ目」の家紋が出てくるのはこの噺「佐々木政談」の感想です。

 

 

 政談ものといえば「唐茄子屋政談」、「三方一両損」、「大工調べ」あたりは聞いたことありますが、まだあまり多くの落語を聞いていない私でもお奉行様が裁く噺は登場人物の誰が話しているのかが分かりやすく、結構好きかもしれません。その中でも今回の「佐々木政談」では志ん朝のなまいきな子供役がたっぷり聞けます。

 聴いていて楽しかったところは南町奉行佐々木信濃守と白ちゃんの知恵比べ。こんなうまい返しができれば私も出世が早いかしら・・・。特にまんじゅうを二つに割って「どちらが美味しいですか?」のところは白ちゃんの親思いな感情が見えてほっこりしました。また、お奉行ごっこをしていたときの子供たちのやり取り。言葉の言い回しや役の使い分けで、本当に江戸時代には子どもたちがこういう遊びをしていたんじゃないのかと感じてしまうほどのリアルさがありました。

 

 桶屋のなまいきなせがれがお奉行様に認められ、出世をする噺。まさに憎まれっ子世に憚るといったような一席でございました。