きゅうすの初心者落語傾聴

主に古今亭志ん朝師匠の落語を聞いた感想を書きます。

古今亭志ん朝「そば清」ちょっと怖い?

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 ここ最近毎週のように蕎麦屋に行っております。今までは蕎麦よりうどんのほうが好みだったのですが、この歳になってようやくお蕎麦のおいしさが分かったような気になり、いろんなお蕎麦を食べたいと思って近所の蕎麦屋を片っ端から食べています。

 落語といえば「蕎麦をすする仕草」が有名ですが、この落語を聞いた時はたらふく蕎麦が食べたいなと思ってしまいます。今回はそんな落語「そば清」の感想です。

 

 YouTubeにもあがっている志ん朝のそば清ですが、その枕が大変面白く興味深いです。志ん朝のお兄さんの十代目金原亭馬生師匠の七回忌の話から始まり、話題があっちこっちと脱線します。聞いているとああこれは間違いなく酒に酔っているなという感じが伝わってきて非常に珍しい動画です。

 噺の内容は蕎麦賭けが流行っていた江戸時代、蕎麦屋の常連と「お蕎麦の清兵衛さん」の賭け勝負はどうなるかというものです。最終的にこのお蕎麦の清兵衛さんが信州から持ち帰った草は、消化を助ける効果があるのではなく人間を溶かしてしまう草で、蕎麦が羽織を着ていたというオチなのですが、最初に聞いた時ゾッとしたのは私だけではないはず・・・。

 

 しかし、酒に酔っていながらも噺の内容に入ってしまうと見事にそば清を演じきる志ん朝師匠はやっぱりすごいなあと感じてしまいました。蕎麦を美味そうにたぐる清兵衛さんを見ていると今すぐに蕎麦を食べに行きたくなるお話でございました。